ABOUT PMS  ―  月経前症候群の治療法 
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深呼吸ダイエット

 月経前症候群ってなんとかできないの?

月経前症候群(PMS)の病因が不明なために、病院でも月経前症候群(PMS)そのものをなくすことはできませんが、不快な症状を抑えたり、ホルモンのバランスを調整することはできます。情緒不安定な場合は安定剤や睡眠薬を、むくみがひどい場合は利尿剤というように症状にあわせて薬処方してくれます。

その治療法として「対症療法」「ホルモン療法」、ビタミン剤や向精神薬等のさまざまな「薬物療法」が行われてきましたが、決定的な治療方法は開発されていないのが現状です。従って、個々の症例に応じた治療法を検討し、最も適当な治療方法が適宜選択されていくことが重要となります。

体の機能を全体的に調整する漢方薬はかなり効果がありますし、避妊を希望する人なら低用量ピルで排卵を抑えて様子をみることもできます。仕事や生活に支障が出るほど症状がひどい場合は、一人で悩まずに婦人科で相談してみましょう。


 月経前症候群(PMS)の対症療法

月経前症候群の本質的な治療方法ではありませんが、前記ような多様な症状があるために、その主症状を正確に把握し、その解消を目的とした治療方法です。

〔精神神経症状〕
緊張、抑うつ、イライラなどの精神神経症状が主症状の場合には、マイナートランキライザー・抗不安薬であるアルプラゾラム(alprazolam)が有効であると言われています。アルプラゾラムを0.8~1.2mg/日を黄体期に投与するのが一般的ですが、眠気、めまい、全身倦怠感などの副作用に注意が必要です。アルプラゾラム製剤としては、コンスタン(武田薬品)、ソラナックス(住友-ファルマシア・アップジョン)、カームダン(共和薬品)などがあります。

その他のトランキライザーとしては、ジアゼパム(diazepam)(2~10mg/day)やクロールジアゼポキシド(chlordiazepoxide)(20~60mg/day)などが使用されます。ジアゼパム製剤としては、セルシン(武田薬品)、ホリゾン(山之内製薬)、ソナコン(中外製薬)などが、クロールジアゼポキシド製剤としてはコントール(武田薬品)、バランス(山之内製薬)などがあります。

症状が重い場合は、抗うつ薬のフルオキセチン、パロキセチン、セルトラリンで改善されることがあります(うつ病の主な治療薬を参照)。これらの薬は特に、刺激への過敏性、うつ、その他の精神的、身体的症状の一部に効果があります。抗不安薬のブスピロンやアルプラゾラムには過敏や神経質さを和らげ、ストレスを軽減する作用があります。ただし、アルプラゾラムは薬物依存を生じることがあります。治療中も症状の記録を続けるよう医師に指示されることがありますが、こうした記録は治療効果の判断に役立ちます。

〔下腹痛、腰痛などの疼痛〕
プロスタグランジンの合成阻害剤であるアスピリンなどの抗炎症薬が有効です。具体的には、アスピリン末、バッファリン(ライオン)、ポンタール(三共製薬)、ボルタレン(ノバルティス)、インダシン(萬有製薬)、インテバン(住友製薬)、ブルフェン(科研)、オルヂス(北陸)、ロキソニン(三共製薬)など極めて多数の薬剤が使用されています。

〔乳房痛〕
抗プロラクチン作用のあるブロモクリプチン(bromocriptine)やテルグリド(terguride)が有効のことがあります。ブロモクリプチン製剤としては、パーロデル(ノバルティス)、テルグリド製剤としては、テルロン(日本シェーリング)があります。高プロラクチン血症がある場合には、黄体機能不全の改善にも役立つのでさらに有効であす。また、ブロモクリプチンはイライラや気分不快に対しても役立つとの報告もあります。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)(痛み: 非ステロイド性抗炎症薬を参照)で頭痛、腹部のけいれんによる痛み、関節痛を軽減できることがあります。混合型経口避妊薬(エストロゲンとプロゲスチンの入った避妊薬)は痛みや乳房の圧痛、食欲の変化を軽減しますが、まれにこの種の避妊薬で症状が悪化する人もいます。プロゲスチンのみを含む経口避妊薬(ミニピル)は月経前症候群には効果がありません。

〔浮腫、体重増加〕
浮腫や体重増加に対しては、症状が著明な場合には減塩、水分制限を行い、利尿剤を使用します。しかし、利尿剤を投与しなければならない症例は多くありません。


 月経前症候群のホルモン療法

〔排卵抑制療法〕
排卵抑制が有効・無効の両報告があるが、有効の場合もあるので個々の症例に応じて対応することが適当です。排卵抑制方法としては、低容量ピルあるいは従来の中用量ピル(プラノバール、ドオルトンなど)が使用されます。副作用を考慮すると保険適応がないが低容量ピルのほうが適していると考えられます。

〔黄体ホルモン療法〕
黄体機能不全の改善あるいは黄体ホルモンの急激な低下を抑制する目的で月経周期の黄体期に黄体ホルモン製剤を使用します。具体的には、月経周期の14日目から2週間、デュファストン、プロゲストン、ヒスロンなどの黄体ホルモン製剤を使用します。
また黄体機能不全の改善のためにhCG製剤5000単位を黄体期に数回投与する方法も行われています。

〔その他〕
排卵抑制としてダナゾールの投与、さらに男性ホルモン製剤の投与、エストロゲン製剤の投与なども試みられています。偽閉経療法も有効との報告がありますが、副作用を考慮して長期に使用するのは不適当です。具体的な偽閉経療法としては、GnRHアナログ(スプレキュア、リュープリン、ナサニールなど)の投与が行われます。

月経前不快気分障害には、抗うつ薬が有効な場合があります。ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)作動薬(リュープロレリン、ゴセレリンなど)(子宮内膜症の治療によく使われる主な薬を参照)を注射し、低用量のエストロゲンを内服薬または皮膚に貼るパッチ剤で併用することによって、症状をコントロールできることもあります。GnRH作動薬は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量を減少させます。


 月経前症候群のビタミン療法

ビタミンB6は脳アミン産生をコントロールしているために、ビタミンB6欠乏が月経前症候群の抑うつ状態などに関与していると考えられています。そのために、ビタミンB6の投与が有効との報告もあります。


 月経前症候群の運動療法・心理療法

運動療法・心理療法が有効との報告がありますが、これのみにて完全に月経前症候群を解決することは不可能です。そのために、他の治療方法と併用して行われることが一般的です。